住み替えローンの利用条件とメリット・デメリットについて解説！

ローンが残っている状態での住み替えは、不安が多いものです。
今住んでいる家のローンを完済しつつ、新しい物件を購入できる住み替えローンというものがありますが、メリットだけではなく注意点も把握する必要があります。
そこで今回は、住み替えローンについて解説します。
ぜひ最後までご覧ください。

□住み替えローンの利用条件

利用対象者は大まかにいうと、「住み替えを希望していて、かつローンが完済できない人」です。
以下では、詳しい利用条件を見ていきます。

住み替えローンは、新居の購入を対象としたローンになっています。
そのため、以下のケースでは利用できません。

・自宅を売却して賃貸に引っ越す場合
・自宅を売却しないで住み替える場合

住み替えローンは、自宅のローンを完済するための費用と新居の購入費用をまとめて借り入れるローンです。
そのため、「自宅を売却して得た利益でローンを完済できる場合」や「売却益と自身の貯蓄によりローンを完済できる場合」はそもそも住み替えローンを利用する必要がありません。

住み替えローンではなく、通常の住宅ローンを利用しましょう。

一般的な住宅ローンと同様、住み替えローンを利用する際も金融機関による事前審査が行われます。
事前審査では、主に以下のような項目がチェックされます。

・自宅のローン残債
・過去のローン返済歴や信用情報
・年収・勤務先・勤続年数などを考慮した返済能力
・新居の担保評価額
・返済負担率
・団体信用生命保険への加入の可否

ただし、住み替えローンは通常の住宅ローンよりも借入額が高額になるため、それに伴って審査基準もより厳しくなる傾向にあります。

続いては、住み替えローンのメリットをご紹介します。

1つ目のメリットは、ローンが残っていても新居を購入できる点です。
家を売却する際にローンが残っていると、そのままでは売却できません。
金融機関が住宅ローンを貸し出す際に、住宅には抵当権が設定されており、「抵当権を抹消するには住宅ローンを一括返済しなくてはならない」というルールがあるからです。

どうしても売りたい場合は預貯金を切り崩して返済に充てたり、親族からお金を借りたりするといった方法がとられます。

しかし、これらの手段は誰もがとれるわけではありません。
このように、家を売却してもローンを完済しきれない場合や自己資金を用意できない場合、住み替えローンが心強い味方となります。

2つ目のメリットは、貯蓄の持ち出しを抑えられる点です。
預貯金は今後に備え、できるだけ残しておきたいと考える方が多いと思います。

また、住み替えには引っ越し費用や一時的な仮住まいの準備費用など、新居の購入費以外にもお金が必要です。
住み替えローンを利用すれば、これらの諸費用に預貯金を回せます。

3つ目のメリットは、ダブルローンを組まなくてもよい点です。
ダブルローンは、現在の家に住みながら新居を購入するケースで利用されることが多いのですが、ローンの審査が厳しく、返済額も大きくなるというデメリットがあります。

住み替えローンを利用して旧居と新居のローンをまとめられれば、ダブルローンの負担を回避できます。

最後に、住み替えローンのデメリットを見ていきましょう。
主なデメリットは、以下の通りです。

・ローンの返済額が増える
・ローン審査が厳しい
・金利が高い
・住み替えのスケジュールがタイトになる

住み替えローンを利用する場合、新居の購入価格に現在住んでいる家のローンの残債分が上乗せされることになります。
そのため、自ずと月々の返済額が増え、家計への負担が大きいことはデメリットと言えるでしょう。

また、通常の住宅ローンよりも金利が高いことにも注意しなければなりません。

さらに、住み替えローンの利用条件として、「現在住んでいる家の売却と新居購入の決済・引き渡しを同日に済ませなければならない」というものがあります。
つまり、売却と購入という別々の契約を同日にスケジューリングしなければならないのです。

たとえば、新居を先に購入した場合は現在の家の売却を急いで済ませ、一方で先に家の売却を済ませた場合は、決済・引き渡し日までに新居を探さなければなりません。

売却と購入のどちらを先に行ったとしても、短い期間で売却活動と新居探しのいずれかを進める必要があり、難易度はグッと上がります。
結果として焦ってしまい、納得のいかない形で売却や購入を終わらせてしまうというケースもあります。

本記事では、住み替えローンの利用条件、メリット・デメリットをご紹介しました。
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2023.08.21