不動産の持分はどのようにして求めれば良いのでしょうか。
持分を正確に計算したい方は多いと思います。
では、具体的にどのような計算方法で割り出すべきか、持分の割合を適当に決めるべきではない理由などについて見ていきましょう。
□持分割合についての詳細と計算方法についてご紹介!
持分割合とはそもそもどのようなものなのでしょうか。
1つの不動産を複数人で所有する場合は、それぞれが所有する権利を分割できます。
その権利が分割される割合のことを持分割合と呼びます。
原則として持分割合は自分たちで勝手に決めるのではなく、それぞれの名義人が住宅を購入する際の住宅ローンをどれだけ支払ったかに応じて決めることになります。
それでは次に、持分割合はどのようにして求めたら良いのかについて確認していきましょう。
持分割合は、住宅ローンを含む住宅を購入する際に名義人が支払った金額から不動産の購入代金を割ることで求められます。
仮に5000万円分の不動産を購入した際に夫側が3000万円、妻側が2000万円の割合で購入費用を負担したとします。
そのようなケースの場合には、夫の持分割合は3000万円から5000万円を割るので60パーセント分、妻の持分割合は40パーセント分であると計算できます。
持分割合は一般財団法人民事法務協会のホームページでも確認できますので、詳しい割合を知りたい方はぜひ確認してみてくださいね。
□相続時の持分割合の決め方について解説!
上記でご紹介しました持分割合の計算方法は、不動産を購入したケースの場合に適用されるものです。
実は共有持分は相続によって取得するケースもあります。
ここでは相続による共有持分の決め方についてご紹介いたします。
*法定相続分で決める
相続時に共有名義にする場合は、被相続人とご自身との関係性や相続する人数によって持分を決めることがあります。
そのような場合には、どの立場の相続人がどのくらい持分を取得できるかが法律によって定められているので、それに従って持分を分割していくことになります。
仮に夫と妻で半分ずつの共有持分がある4人家族のケースで夫が亡くなってしまった場合について考えてみましょう。
このような場合は、妻は夫の共有持分を半分、子供たちは2人いるので、元々半分だったところをさらに半分にして持分を取得することになります。
結果として、妻が4分の3、子供はそれぞれ8分の1ずつ持分を取得することになります。
法定相続分に従うと、このように取得する割合があらかじめ決められているので、簡単に計算できます。
*遺産分割協議を行なって決める
法定相続分に従って分ける方法以外にも、遺産分割協議を行なって決める方法もあります。
例えば、上述しました例を取り上げますと、遺産分割協議を行なって子供たちは共有持分を取得せずに妻1人だけの単独名義にするなどの変更も可能です。
しかし、そのような場合には子供たちは遺産を受け取れなくなってしまうため、納得してくれないかもしれません。
そのため、子供たちが相続して取得する予定だった共有持分の相当額を現金として支払うことで解決すると良いでしょう。
また、相続人全員の同意が得られるのであれば、遺産分割協議は成り立つので、遺言書に記載があった場合でも持分の比率を決められます。
□持分割合は適当に決めるべきではない理由について解説!
住宅を購入する際には、原則として持分割合は計算方法に従って決めることになりますが、実は所有権保存登記で持分割合を決める際に計算方法に従わずに記入することも可能です。
ただ、支払った金額に応じた持分割合にしない場合にはデメリットが生じてしまうので、適当に決めるべきではありません。
ここでは持分割合は適当に決めるべきではない理由について解説していきます。
仮に住宅ローンの支払いを夫が3000万円、妻が1000万円負担する場合は、持分割合も夫が4分の3、妻が4分の1にすると綺麗に分割できます。
しかし、単独名義にしたいからといって持分を全て夫に帰属させてしまうと、法律上妻が1000万円分の財産を夫に譲った扱いになってしまい、贈与税が発生してしまうという事態になりかねません。
もし贈与した金額が1000万円の場合は、1000万円から110万円の基礎控除額を引き、890万円に税金が課されることになります。
税率は40パーセントですので、890万円に40パーセントをかけた金額で356万円になり、そこから控除額の125万円を引いて231万円が贈与税として課される金額です。
つまり、持分を適当に決めて、もし1000万円分の贈与を受けたと判定されてしまった場合には、贈与税が200万円以上かかってしまうのです。
払う必要のない税金を払うことにもなってしまうので、持分割合は適当に決めずに計算方法に従って決めるようにしましょう。
□まとめ
この記事で紹介したように、持分割合は適当決めるべきではありません。
ご紹介しました計算方法を用いて、正確に持分割合を導き出しましょう。
持分について不安を抱いてらっしゃる場合は、お気軽に当社にご連絡くださいね。